審美治療
Cosmetic Dentistry

口元はその人の印象を大きく左右する、非常に大切な部分です。
ふとした瞬間に見える歯の色や形に悩み、コミュニケーションに臆病になったり、自分らしさを表現できなかったりするのは、とても残念なことです。
私たち奥戸いろは歯科・矯正歯科が考える審美治療は、単に歯を白くしたり、形をきれいにしたりするだけの表面的な処置ではありません。
美しい見た目(審美性)と、しっかりと噛めるという本来の機能(機能性)を高いレベルで調和させ、その健康的な美しさが長期にわたって持続することを目指す、総合的な歯科医療です。
あなたの笑顔がもっと輝くように。
そしてその笑顔に揺るぎない自信が宿るように。
私たちは審美治療を通じて、あなたの豊かな人生をサポートします。

日本の保険診療では長年にわたり、虫歯治療の際に銀歯(金銀パラジウム合金)が広く用いられてきました。
しかしこの銀歯が、知らず知らずのうちに、お口の中や全身の健康に様々な影響を及ぼす可能性があることが近年分かってきています。
当院ではこうした懸念を払拭するため、金属を一切使用しない「メタルフリー治療」を基本としています。
治療直後はぴったりと合っているように見える銀歯も、お口の中という過酷な環境(温度変化や強い力)に長年さらされることで、ごくわずかに変形したり接着剤が劣化したりします。
すると銀歯とご自身の歯との間に、目には見えないミクロン単位の隙間が生まれます。
虫歯菌は非常に小さいため、この隙間に容易に侵入し、銀歯の下で再び虫歯を発生させます。
これは「二次虫歯」と呼ばれ、発見が遅れやすく、気づいた時には神経の近くまで進行していることも少なくありません。
治ったはずの歯が見えないところで、より深刻な状態になってしまう可能性があるのです。
銀歯から溶け出した金属イオンが、歯茎に沈着し、黒ずんだシミ(メタルタトゥー)を作ることがあります。
これは、一度できてしまうと、自然に消えることはありません。
健康的なピンク色の歯茎の中に、青黒い部分が存在することは、口元の審美性を大きく損ないます。
そして、それは、お口の中から常に金属が溶け出し、体内に取り込まれているという証拠でもあるのです。
唾液によって溶け出した金属イオンは、体内に蓄積され、ある日突然金属アレルギーの症状を引き起こすことがあります。
お口の中の粘膜の荒れだけでなく、全身の皮膚に原因不明の発疹やかゆみ、湿疹となって現れることも少なくありません。
長年悩まされていた皮膚の症状が、お口の中の銀歯をセラミックなどに交換することで、劇的に改善するケースも報告されています。

メタルフリー治療の中心となるのが、「セラミック」という素材です。
セラミックは、食器などに使われる陶器の一種であり、美しさと機能性、そして身体への優しさを兼ね備えています。
セラミックは、化学的に安定した素材であり、銀歯のように変形することがほとんどありません。
また、特殊な接着技術を用いることで、歯と緊密に一体化させることができます。
これにより、細菌が侵入する隙間が生まれにくく、二次虫歯のリスクを大幅に低減させることが可能です。
セラミックは、生体親和性が非常に高い(身体によく馴染む)素材です。
金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配はもちろん、金属イオンが溶け出して歯茎を変色させるようなこともありません。
セラミックの表面は、陶器のお皿のように滑らかで、傷がつきにくいのが特徴です。
そのため、虫歯の原因となるプラーク(歯垢)が付着しにくく、日々のブラッシングで清潔な状態を容易に維持できます。
汚れがつきにくいということは、虫歯や歯周病になりにくいということにも繋がります。
セラミックの大きな魅力は、その審美性です。
天然の歯が持つ、透明感や光の透過性、そして一人ひとり異なる微妙な色合いを、忠実に再現することができます。
保険のプラスチック(レジン)のように、時間と共に変色してしまうこともありません。
まるでご自身の歯と見分けがつかないほどの、自然で美しい仕上がりを実現します。
審美治療のゴールは、単に「白い歯を入れる」ことではありません。
その歯が、お顔全体のバランスと調和し、長期にわたって安定して機能すること。
その高い目標を達成するために、当院では様々な技術と設備を駆使しています。
治療を始める前に、患者様と私たちが、同じゴールイメージを共有することは非常に重要です。
当院では、「デジタルスマイルデザイン」という手法を用いて、患者様のお顔の写真をもとに、治療後の口元がどのように変化するのかを、コンピューター上でシミュレーションします。
「こんなはずではなかった」という結果を防ぎ、ご自身の理想の笑顔を、目で見て確認してから、安心して治療をスタートすることができます。
審美治療では、被せ物などがぴったりと適合するよう、土台となる歯を精密に削る(形成する)必要があります。
この形成の精度が、修復物の寿命を左右すると言っても過言ではありません。
当院では、この工程を必ず「マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)」の拡大視野下で行います。
これにより、健康な歯を削る量を少なく抑えつつ、ミクロン単位での精密な形成を実現します。
精密な修復物を製作するためには、精密な型取りが不可欠です。
当院では、先進の「3D光学スキャナー(プライムスキャン/アイテロ・ルミナ)」を導入しています。
従来の、粘土のような材料を用いた不快な型取りは必要ありません。
ペン型のカメラでお口の中をスキャンするだけで、短時間のうちに、変形や誤差の極めて少ない、高精度なデジタルデータを作成できます。
当院では、コンピュータ制御でセラミックブロックを削り出し、高精度な修復物を院内で製作する「CAD/CAMシステム(ミリングマシン)」を導入しています。
これにより、小さな詰め物(インレー)など、症例によっては、型取りから修復物の装着までを1日で完了させることも可能です。
忙しくて何度も通院できない、という方にも、質の高い治療をお届けします。
特に高い審美性が求められる前歯の治療など、複雑なケースにおいては、当院が信頼を置く、熟練した技術を持つ専門の歯科技工士と緊密に連携します。
患者様のお口の状態やご希望について、歯科医師と歯科技工士が直接情報を交換し、細部にまでこだわった、高品質のオーダーメイドの修復物を製作します。
患者様のお悩みやご希望、そして歯の状態に応じて、様々な治療の選択肢があります。
| 治療法 | 特徴 | このような方におすすめ |
|---|---|---|
| セラミックインレー (詰め物) |
比較的小さな虫歯を削った部分を、セラミックで修復する方法 | ・奥歯の銀歯を白くしたい ・二次虫歯のリスクを減らしたい |
| オールセラミッククラウン (被せ物) |
歯全体を、すべてセラミックでできた冠で覆う方法。審美性に優れる | ・前歯の色や形を、根本から美しくしたい ・金属アレルギーが心配 |
| ジルコニアクラウン (被せ物) |
人工ダイヤモンドとも呼ばれる、非常に強度が高いジルコニアで作られた冠 | ・奥歯など、強い力がかかる部分を白くしたい ・強度と美しさを両立させたい |
| ラミネートベニア | 歯の表面をごくわずかに削り、薄いセラミックの板を貼り付ける方法 | ・前歯の隙間が気になる ・歯の形を少しだけ整えたい ・ホワイトニングで白くならない歯の色を改善したい |
| ダイレクトボンディング | 歯科用プラスチック(レジン)を、歯に直接盛り付けて形を整える方法 | ・小さな歯の欠けや隙間を、1日で修復したい ・できるだけ歯を削らずに治療したい |

セラミックなどの優れた材料で治療を行っても、その美しさと健康を永く保つためには、その後のケアが非常に重要です。
ご自身の歯と同様に、毎日の丁寧なブラッシングはもちろんのこと、歯科医院での定期的なプロフェッショナルメンテナンスを受けることを強くお勧めします。
メンテナンスでは、専門的なクリーニングで汚れを徹底的に除去するとともに、噛み合わせに変化がないか、修復物に問題がないかなどを細かくチェックします。
また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックが欠けたり、割れたりするのを防ぐため、就寝時に専用のマウスピース(ナイトガード)を装着することが効果的です。
私たちはあなたが手に入れたその美しい笑顔を、生涯にわたって守り続けるための、信頼できるパートナーでありたいと願っています。
口元のことでお悩みがあれば、どんな些細なことでも私たちにご相談ください。