入れ歯(義歯)治療
Denture

これから入れ歯を作製するにあたり、様々な不安を感じていらっしゃいませんか?
多くの方が抱える入れ歯へのネガティブなイメージ。
それはあなたのお口に本当に合っていない、言わば「既製品の靴」のような入れ歯を我慢して使い続けているからかもしれません。
私たち奥戸いろは歯科・矯正歯科が目指すのは、単に歯の欠損を補うための「道具」を作ることではありません。
食事の楽しみを取り戻し、大切な人との会話が弾み、心からの笑顔で毎日を過ごせるように。
精密な診査・診断と、熟練の技術によって、まるでご自身の体の一部のようにフィットする「生涯のパートナー」としての入れ歯を、患者様一人ひとりのためにオーダーメイドで創り上げること。
それが、私たちの入れ歯治療に対する、基本的な考え方です。
「良い入れ歯」とは、どのようなものでしょうか。
私たちは、以下の4つの条件を満たすことが不可欠だと考えています。

食べ物をきちんと噛み砕けることは、食事を楽しむだけでなく、栄養を効率よく吸収し、全身の健康を維持するための基本です。
良い入れ歯は、硬いものでも、粘り気のあるものでも、安定してしっかりと噛むことができます。

お口の中の粘膜は非常にデリケートです。
入れ歯が歯茎に強く当たって痛んだり、会話や食事の際にカタカタと動いたりするようでは、毎日使うことが苦痛になってしまいます。
お口の動きに調和し、吸い付くようにフィットすることが重要です。

入れ歯であることが、周りの人に分からない。
それは、自信を持って笑ったり、話したりするための、とても大切な要素です。
歯の色や形、歯茎の色合いまで、まるでご自身の歯のように自然に見えることが求められます。

入れ歯の厚みや形が適切でないと、舌の動きが妨げられ、「サ行」や「タ行」などが発音しにくくなることがあります。
滑らかな会話を邪魔しないことも、良い入れ歯の条件の一つです。
「作りたての頃は調子が良かったのに、だんだん合わなくなってきた」というお話をよく伺います。
その原因は、一つではありません。
お口の中は、決して静的なものではなく、常に少しずつ変化しています。
歯を失った部分の顎の骨は、刺激がなくなることで、年々少しずつ痩せていきます(骨吸収)。
また、歯茎も年齢と共に痩せていきます。
お口という「土台」が変化していくため、作った当初はぴったりと合っていた入れ歯も、時間と共に隙間ができ、徐々に合わなくなっていくのです。
部分入れ歯の場合、バネをかけている歯が、虫歯や歯周病になってしまうことがあります。
支えとなる歯がダメージを受けると、入れ歯全体の安定性が損なわれ、ガタつきの原因となります。
長年使用していると、人工の歯の部分がすり減って、噛み合わせの高さが変わってきてしまうことも、入れ歯が合わなくなる原因の一つです。
合わない入れ歯を我慢して使い続けることは、痛みや不快感だけでなく、残っている健康な歯にまで過度な負担をかけ、その寿命を縮めてしまうことにも繋がりかねません。
定期的な歯科医院での調整や、状態によっては作り替えを検討することが、お口全体の健康を守るために非常に重要です。
私たちは、患者様一人ひとりに心からご満足いただける入れ歯を創り上げるために、診断から設計、製作、そして完成後の調整に至るまで、一切の妥協を許しません。

快適な入れ歯作りの第一歩は、現在のお口の状態を、あらゆる角度から正確に把握することです。
残っている歯や歯茎の状態、噛み合わせのバランス、顎の関節の動き、そしてお食事の際などの筋肉の動きまでを、詳細に診査します。
必要に応じて、歯科用CTを用いて、入れ歯を支えることになる顎の骨の量や質を三次元的に確認することもあります。
また、型取りの際には、3D光学スキャナーを用いることで、従来の粘土のような材料による不快感を軽減し、より精密なデータを取得することも可能です。

入れ歯の品質は、歯科医師による精密な設計と、それを形にする歯科技工士の卓越した技術、その両輪が揃って初めて、優れたものとなります。
当院では、入れ歯製作において、国内でも有数の実績と専門性を誇る「近藤義歯研究所」と緊密に連携しています。
一般的な保険の入れ歯とは一線を画す、噛み合わせの理論に基づいた精密な設計。
そして、患者様のお顔立ちや雰囲気にまで調和する、自然で美しい人工歯の配列。
専門の技工所とパートナーシップを組むことで、機能性と審美性を極限まで追求した、まさに「作品」と呼ぶにふさわしい入れ歯の製作が可能となるのです。

私たちは、入れ歯が完成するまでの各工程で、一切の妥協なく精密な調整を重ねます。
型取りや噛み合わせの記録はもちろんのこと、特に「試適(してき)」と呼ばれる、完成一歩手前のロウでできた入れ歯を、実際に患者様のお口に入れて確認するステップを重視しています。
この段階で、歯並びの見た目、噛み合わせの高さ、発音のしやすさなどを、患者様ご自身に確認していただきながら、ミリ単位での微調整を行います。
この丁寧なプロセスこそが、ご満足いただける入れ歯作りの鍵であると確信しています。
当院では、保険適用の入れ歯から、より快適性や審美性を追求した自費診療の入れ歯まで、幅広い選択肢をご用意しています。
それぞれの特徴をご理解いただいた上で、ご自身のライフスタイルやご希望に合ったものを、一緒に選んでいきましょう。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 保険適用の入れ歯 (レジン床義歯) |
【利点】費用を抑えられる。ほとんどの症例で作製可能。 【欠点】強度を保つため床(土台)が厚くなり、違和感が出やすい。熱が伝わりにくく、食事の温度を感じにくい。部分入れ歯の場合、金属のバネが目立つことがある。 |
| 金属床義歯 (チタン/コバルトクロム) |
【利点】床を非常に薄く作れるため、違和感が少なく、発音しやすい。熱がよく伝わるため、食事を美味しく感じられる。丈夫で、変形しにくい。 【欠点】自費診療となる。 |
| ノンクラスプデンチャー | 【利点】金属のバネを使用しないため、入れ歯であることが気づかれにくい、非常に審美性の高い入れ歯。薄く、軽く、弾力性があるため、装着感が良い。 【欠点】症例によっては適応できない場合がある。 |
| シリコン義歯 | 【利点】歯茎に接する部分が、クッション性のある柔らかいシリコンでできている。噛んだ時の痛みが大幅に軽減され、硬いものでもしっかりと噛むことができる。 【欠点】汚れが付着しやすく、定期的な専門的清掃が不可欠。 |
| マグネットデンチャー | 【利点】残っている歯の根と、入れ歯本体に、超小型の磁石を埋め込み、その磁力で固定する。非常に強い維持力を発揮し、ズレやガタつきがほとんどない。 【欠点】歯の根が残っている場合にのみ適応可能。 |
高品質なオーダーメイドの入れ歯が完成しても、その後の取り扱いやケアが、その寿命を大きく左右します。

入れ歯は、ご自身の歯と同様に、毎日清掃する必要があります。
専用のブラシを用いて、ヌメリや汚れを丁寧に落としてください。
就寝時には、必ず外して、水や専用の洗浄剤に浸けて保管します。
これにより、入れ歯の乾燥や変形を防ぎ、細菌の繁殖を抑えることができます。

特に部分入れ歯の場合、バネをかけている歯の健康が、入れ歯の安定性にとって生命線となります。
この歯が虫歯や歯周病になってしまうと、入れ歯を支えることができなくなり、作り直しが必要になることもあります。
残っているご自身の歯を、これまで以上に大切にケアすることが重要です。

前述の通り、お口の中は常に変化しています。
その変化に合わせて、入れ歯の内面を調整したり(リベース)、噛み合わせを再調整したりすることで、常に快適な状態を維持することが可能です。
私たちは、3ヶ月から半年に一度の定期検診をお勧めしています。
検診では、入れ歯の状態のチェックと調整だけでなく、残っている歯のクリーニングや、歯茎の状態の確認も行います。
入れ歯に関するお悩みがあれば、どんな些細なことでも構いません。
私たちが、あなたの「噛める喜び」と「笑顔の自信」を取り戻すお手伝いをします。
どうぞ、お気軽にご相談ください。