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こんにちは。葛飾区奥戸、京成押上線「京成立石駅」より徒歩10分にある歯医者「奥戸いろは歯科・矯正歯科」です。
インプラント治療は、失った歯を自然な見た目と機能で補うことができる画期的な治療法です。
しかし、すべての方がすぐにインプラント治療を受けられるわけではありません。特に、顎の骨が少ない状態では、インプラントを固定するための土台が不十分なため、治療に制限が生じることがあります。
実際に、歯科医院で「骨が足りないためインプラントは難しい」と言われた経験を持つ方も少なくありません。
今回は、顎の骨が少なくなる原因から、その対処法、治療を受ける際の注意点について解説します。インプラント治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
顎の骨が少なくなる原因は、以下のとおりです。
歯周病は、歯を支える歯槽骨が徐々に破壊される病気です。初期段階では歯茎の腫れや出血が見られる程度ですが、進行すると歯を支える骨が溶けていき、最終的には歯が抜け落ちることもあります。
歯を失うとその部分の顎の骨は次第に痩せていき、インプラントを埋め込むための十分な骨量を保つことが難しくなります。日本人の成人の多くが歯周病に罹患しているとされているため、インプラント治療前の歯周病の管理は極めて重要です。
年齢を重ねると、自然と骨密度が低下し、顎の骨も痩せていく傾向があります。
特に女性は閉経後のホルモンバランスの変化により骨粗鬆症になりやすく、それが顎の骨にも影響を与えることがあります。また、長年歯を失ったまま放置していると、咀嚼による刺激が骨に伝わらず、顎の骨がさらに吸収されやすくなります。
加齢による骨量の減少は避けられない側面もありますが、早めに対応することで進行を遅らせることが可能です。
事故や転倒などによって強い衝撃が顎に加わると、骨折や骨の欠損が起こることがあります。外傷によって顎の骨が損傷した場合、その部分の骨量が著しく不足することになり、インプラント治療の妨げになります。
長期間、合わない入れ歯を使用していると、顎の骨に過剰な圧力がかかり、骨が次第に吸収されることがあります。
特に総入れ歯の場合、咀嚼や会話のたびに顎の骨に圧がかかるため、骨の吸収が進みやすくなります。また、入れ歯の使用で咀嚼力が低下し、噛む刺激が骨に伝わらなくなることで、骨の再生が促されにくくなるという側面もあります。
インプラント治療を検討する際は、過去の入れ歯の使用状況も重要な情報になります。
顎の骨が少ない場合、インプラント治療が難しいとされることがあります。
しかし、それはインプラント治療が必ずしも受けられないという意味ではありません。
インプラントは顎の骨に埋め込む治療であるため、一定の骨の高さや幅が必要です。骨量が不足していると、インプラントがしっかりと固定されず、治療の成功率が下がる可能性があります。
また、骨が薄い箇所に無理に埋入すると、インプラントの破損や脱落のリスクが高まります。
しかし、近年では、骨を再生させる手術や、骨の少ない部分に対応した治療法があり、顎の骨が少ない方でもインプラントを受けられるケースが増えています。
歯科医師が歯科用CTなどを用いて精密に骨の状態を把握し、適切な術式を選択することで、安全に治療を進めることが可能です。
顎の骨が少ないと診断された場合でも、以下のような骨を増やす手術を併用することで、インプラント治療が受けられるようになるケースがあります。
GBR法は、骨の不足している部分に人工の膜を設置し、骨の再生を促す治療法です。
骨が少ない部分に骨補填材を埋め込み、その周囲を特殊な膜で覆います。この膜によって歯茎の細胞が骨の再生を妨げないようにコントロールされ、時間をかけて新たな骨が形成されていきます。この方法は、骨の高さや幅が不足している場合に有効です。
上顎の奥歯部分にインプラントを埋める際、骨が非常に薄いケースでは上顎洞と呼ばれる空洞に近接しているため、そのままでは治療が困難です。
サイナスリフトは、この上顎洞の粘膜を持ち上げ、人工骨や自家骨を移植することで骨の厚みを確保する方法です。しっかりと骨が安定するまで4〜6ヶ月ほどかかり、骨が安定したことを確認できたら、インプラント手術を実施します。
ソケットリフトは、上顎の奥歯の部分の骨が足りない場合に行われる治療法のひとつです。
インプラントを埋めるための穴(ソケット)から、専用の器具で上あごの骨の奥にある上顎洞(じょうがくどう)という空洞の底をそっと押し上げ、そのすき間に人工の骨を入れて、骨を増やします。
多くの場合、インプラントの埋入と同時に行えるため、治療期間を短縮できるのが大きなメリットです。
ただし、押し上げられる骨の量には限界があるため、重度の骨不足には適応とならないこともあります。
自家骨移植は、患者さん自身の骨を別の部位(顎の他の部分など)から採取し、骨が不足している箇所に移植する方法です。自家骨を使うため、他の人工材料に比べてしっかり結合しやすく、安全性や成功率が高いという特徴があります。
採取した骨を、骨の足りない部分に丁寧に移植し、数ヶ月かけて骨がしっかりとくっつくのを待ってから、インプラントを埋め込むという流れです。
自家骨は生きた骨細胞を含んでいるため、新しい骨としてしっかりと再生される可能性が高く、重度の骨吸収や骨の欠損にも対応できます。
ただし、骨を採取する部位にも外科処置が必要になるため、患者さんの身体への負担は大きくなります。また、手術時間も長くなる傾向があり、腫れや痛みが強く出ることもあります。
骨の少ない状態でのインプラント治療には、いくつかの重要な注意点があります。以下に主な注意点について解説します。
顎の骨を増やす手術を伴う場合、骨がしっかりと再生するまで数ヶ月〜半年以上待つ必要があります。インプラント埋入から最終的な歯が入るまでに1年近くかかることもあります。予定通りに治療が進まないこともあるため、治療期間には余裕を持って臨むことが大切です。
骨造成を含むインプラント治療では、追加の手術費用が必要になります。自費診療となるため、治療内容によっては数十万円単位で費用がかかることも珍しくありません。事前に手術にかかる費用や支払い方法について歯科医院で確認しておくことが重要です。
骨造成や骨移植は外科的な処置を伴うため、腫れや痛み、感染症などのリスクが伴います。サイナスリフトでは副鼻腔に影響が出ることもあり、術後の管理が非常に重要になります。信頼できる歯科医院での適切な術式の選択と、術後のフォローアップが欠かせません。
骨造成後の顎の状態を良好に保つためには、適切な術後管理が欠かせません。指示された通りの歯磨きや食生活の管理、定期的な通院が必要です。また、喫煙は骨の再生を妨げる大きな要因となるため、治療中は禁煙が求められます。
糖尿病や高血圧などの持病がある場合、治療の進行に影響を与えることがあります。骨の再生やインプラントの定着に悪影響が出ることもあるため、全身状態の安定が重要です。医科と連携を取りながら、安全な治療計画を立てる必要があります。
「骨が少ないからインプラントは無理かもしれない」とあきらめてしまう方もいるでしょう。
しかし、近年の歯科医療の進歩により、顎の骨が少なくてもインプラント治療を受けられるようになっています。
大切なのは、自分の骨の状態を正確に把握し、それに合った治療法を選ぶことです。また、治療期間や費用、リスクをしっかりと理解し、信頼できる歯科医師と相談しながら進めることで、安心してインプラント治療を受けることができます。
顎の骨が少ない方でも、希望を捨てずに歯科医師に相談しましょう。
インプラント治療を検討されている方は、葛飾区奥戸、京成押上線「京成立石駅」より徒歩10分にある歯医者「奥戸いろは歯科・矯正歯科」にお気軽にご相談ください。
患者様の口腔内の痛みや不安を解消するだけではなく、患者様の人生に笑顔を提供できるような仕事をすることを理念として日々診療しております。